みなさん覚えていますか?
今年の夏は例年より遥かに早く7月6日に始まったんです。(梅雨明けが7月6日。すぐに暑くなりましたね。)
昨日も鹿島は真夏日になりました。

そして、たぶん昨日今年の夏が終わりました。昨日は10月12日。さすがにもう真夏日はないでしょう。今日は北風が吹いています。
2013年の夏の最後の日も、僕はまた鹿島で過ごすことができました。最高の一日でした。

朝、水面のいいうちに風巻さんはスラローム、僕はトリック。

ふたりだけで滑っているので、滑っているところの写真が撮れません。昨日は明学がいなかったので、早稲田大学にコースをお借りしました。ありがとう!
これは風巻さんがコースの後半で流しているところ。真剣に滑っているときはこちらもドライビングに必死でとてもカメラを構える暇はありません。ミラー越しに無理矢理一枚撮ってみました。
ふたりだけだと、時間に余裕があってほんとにらくちんです。
MGマリーンさんのレストランで休憩。


昼はずーっと西南西の風が吹いていました。2本終わったあと、僕達は夕方に来るはずの風の変わり目を待っていました。予報では夕方に風が北に変わる、と言うんです。

風の変わり目には、無風の時間があります。その時間に一人は滑ることができます。うまく行けばふたり滑れるかもしれません。

午後3時半頃になって風巻さんが、「そろそろ行きましょうか。」と言いました。結果的にはこのタイミングが絶妙でした。このときまだ南風は止んでいませんでした。でも、だんだんに風は弱まり、少し西南西から南西に回って来たので、対岸はかなりイイだろう、と読んだのです。
水の上に出ると、鹿島工場地帯の煙突の煙が遠い方はまっすぐ上にあがっています。
無風のゾーンがもうそこまで迫っていたのです!
水面は回復傾向。まずは水面が大事なスラロームをやる風巻さんから。
その間にも北になびいていた近いほうの煙突の煙もまっすぐに。水面はいよいよグラスになってきました!
2010年に全日本でバックフリップを決めたあと、鹿島で行われた草大会で久しぶりにジャンプに挑戦。なんと一本目で右足の太腿裏を伸ばしてしまいました。実はこの頃はまだ3種目での全日本復帰を夢見ていたんです。
続けて2011年春、バックフリップにトライして足首を損傷。この二つの怪我が思いのほか長引いて去年までは滑るたびに痛みを抱えていて、どうしても思い切って滑れず、とうとう全日本以来一度もバックフリップができないまま今年のシーズンが始まりました。
大事にしていたことと春から少しづつ体を動かしていたのがよかったのか、今年は滑っても脚に痛みがありません。僕は今年こそはバックフリップを復活させたいものだ、と考えていました。
ところがこの永い夏にいくら練習しても、できません。そうとういい感触で飛んで余裕を持って脚から着水するのに、滑って行くことができないんです。
やはり、もうそろそろ限界なのかな。体の中でなにかが変わってしまって、もうバックフリップのような激しい動きには意識が追従できないのかもしれないな。
いくら高く飛び、ゆっくり回って、きれいに降りてもできないので、正直僕は半分あきらめていました。
バックフリップができなくても、こうして愉しく水の上を滑ることはできるんだし、気持ちのいい休日が鹿島で過ごせるなら、それでいいじゃないか。
でも。
期待以上に水面は完璧な状態になってきました。僕は水面回転やB-B,WOなどできるハンドトリックだけをさっとこなして、早々にバックフリップのトライを始めました。
ところが、何度飛んでも結果は同じです。最初はよかったアタリがなんだかずれて来てしまいました。風巻さんは変わらず、ドライバーを続け励ましてくれます。でも、もうこれ以上は申し訳ない。
そう思って、ラストツーということにしました。
着水で転倒する方向はいつもボートから遠い方です。これを修正するには飛び上がるときに、体の倒れをすくなくしなくてはなりません。ウェイクボードの経験ではそのためには体を起こしてウェイクにアタリ、エッジは少し弱くする方向です。ずっとそのことを意識してトライしていました。
でも最後なので、気持ちよく思い切り大きく飛んでやろう。僕はそう思いました。そのつもりでトライすると、無意識にウェイクにあたる最後のエッジがかなり強くなってしまいました。そこからタイミングをできるかぎり遅らせて強くウェイクに当ててみました。強くエッジをたてたスキーがウェイクに食い込んで、あてた瞬間に体が引き起こされるような感覚がありました。いつも以上に高くゆっくりと回れているようです。気がつくとスキーが水の上を滑っていました。体が遅れて後ろに倒れそうになるのを左手を離して水にあてて必死にこらえました。
できた!できました。3年ぶりにバックフリップができました。嬉しくて滑りながら腕を突き上げて大きな声で叫びました。
できたのは全日本で決めてその後怪我したときにもやっていた得意なクロス側ではなく、オープン側のバックフリップです。

証拠のビデオも写真もありませんが、風巻さんとピットにいた日大の学生さん達が証人です。(^o^)

この空の写真には「寒冷前線」が写っているんですよ。水面には北風によるさざ波が写っています。僕が滑り終えると、この前線が頭の上を通過して、冷たい北風が吹き始めました。
ほんとうに短い時間だけ、鹿島は僕に最高の水面を与えてくれたんです。
そして、鹿島は永く永く夏を続けて、僕を待ってくれていたんですね。
ありがとう鹿島!ありがとう風巻さん。(^^)
あの雲が描く線の向こう側が2013の夏の最後のかけら。雲のこちら側は、秋です。
夏は南へ去って行きました。
僕は鹿島の土手に立って、2013年の夏が地平線の向こうに去って行くのを最後まで見送っていました。
今年もこうして最高の夏になりました。
あ〜〜〜愉しかった!!(^o^)
ま、そんなこと言っても、秋も水上スキーはやるんですけどね。ははは。(^o^)